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Dクラッカーズ

 「くぅ、はっ――」
 美しく小柄な少年は、息を吸い込み、胸元をおさえた。薬物の禁断症状? かつて親しかった幼なじみ・物部景を前に、姫木梓は動揺する。彼もあのカプセルの常用者だというのか。ほこりっぽい高校の図書館は、とぎれそうな二人の絆を示すように重い空気に包まれた……
 突然の級友の自殺。原因はカプセルと呼ばれるドラッグにあった。帰国子女・梓は、カプセル売買ルートを追跡し始める。その線上に景が浮かび上がった。
 「悪魔」「カプセル」「女王」。キーワードが重なり、終幕に導きだされる答えとは!? ネオ・アクション・サスペンス登場!

 以下、ネタバレ感想です。
 
 今は亡き富士見ミステリー文庫の創刊第一段作品のひとつとして始まった、今シリーズ『Dクラッカーズ』。刊行当初、今作品を含めて6作品がミステリー文庫から出版されたと記憶しておりますが、学生の身であり懐事情が切迫していた私と友人数名は、それぞれ1作品ずつ購入して回し読みをしよう、ということになりました。その6作品の中で、群を抜いて面白いと言えたのが、この『Dクラッカーズ』です。
 作者であるあざの耕平氏自身「『主人公のジャンキーがドラッグをキメてラリったまま悪魔を駆使して敵をやっつけるミステリー小説』です」と述べるほど、ミステリーの皮を被っていたのは第1巻の中盤までくらいで、あとはサスペンス+異能バトルという感じが多かった気がしますが……しかし確かにミステリーなのでしょう。それも心を解き明かす、という。
 まあ、後にファンタジア文庫に移って再版されているあたり、フォローのしようもない気がしますが。

 手に汗握る悪魔召喚バトルも今作品の大きな魅力なのですが、私が惹かれたのは、その悪魔の正体や、はじまりの悪魔「無慈悲な女王」を根幹とした、現実と認識、価値という概念への解説、あざの氏なりの解釈という部分です。5巻におけるベルゼブブの講釈や、7-1巻における千絵のあずさへの説得のシーンなど、何度も読んで理解し咀嚼しようとしました。当時中高生だった私の琴線に触れ、何となく格好良さげなこと語っているなあ、という感想を抱いていたのですが、今読み直しても、納得させられる点が多々あります。
 そして7-2にてついに実現したベルゼブブVS千絵の人生哲学論戦は、どんな悪魔戦よりも震え上がりました。

 「世の中のほとんどの人はね。自分が幸せでいられるなら、他人の不幸なんて喜びやしないのっ。周りの人もみんな幸せになってほしいと思うものなのっ。だから、人類はこんなにもたくさんの同胞を持てたんじゃないっ。それがわかっているから、誰もが愛情を肯定してるんじゃないのっ。『王国』が受け入れられるですってっ? ハッ! 馬鹿おっしゃい。人が、愛し愛されることよりも孤独を選ぶもんですか!」

 千絵のこの言葉は、今でも私がそうと信じたい信念です。

 また、あざの氏の作品の魅力の一つとして、敗北からの再起のカタルシスというのがあるでしょう。『Dクラッカーズ』においては二度それがありましたが、やはり主人公たちが一度どん底を味わい、如何にしてそこから這い上がっていくかを見守るのは、いつでも燃え上がるものがあります。

 好きなキャラクターは海野千絵、甲斐氷太、キメリエス
 好きなカップリングは水原×千絵
 好きな悪魔はキメリエスの猫
 心に残った台詞は『Dクラッカーズ4』における「反撃するぞ」です。

 本編が8巻、外伝が3巻。外伝も本編の内容を補完する魅力的な話ばかりです。特に好きなのはウィザードと甲斐の邂逅を描いた『狂犬―hound―』です。

テーマ : 読書
ジャンル : サブカル

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